「私のために土の祭壇を造り…」
出エジプト20:18-24:11
十戒に続いて「契約の書」(24:7)が与えられます(→『虎に翼』→憲法と法律制定による日本国の再生)。主はモーセを通して守るべき法律を与えて、イスラエルをご自分の民とするという契約を結ばれます。
アブラハムと結ばれた契約(→創世記15章)が、出エジプトの後に改めて結び直されます。「モーセは神がおられる密雲に近づいて行」きますが、主は「私のために土の祭壇を造り…牛を屠りなさい」と契約の場所を準備させられます。「石の祭壇」の場合でも簡素なもので、「階段を使って…あなたの陰部(口語訳「隠し所」)がその上にあらわにならない」(神のユーモア!)程度にすべきです(→説教壇や聖餐テーブル)。
「あなたが彼らの前に置くべき法」が詳しく述べられます(21-23章)。
①「目には目、歯には歯」(21:22-25)は復讐を制限したものです(→マタイ5章「右の頬と左の頬」)。②「寄留者(口語訳「寄留の他国人」)…寡婦と孤児…貧しい者」(22:20-26)への配慮が命じられます。③「子山羊をその母親の乳で煮てはならない」(23:19)とは異教の神礼拝への警戒です(チーズと肉料理!)。旧約の神は「憐れみ深い」御方です。
山の上でモーセは「血の半分を取って…祭壇に…民の上にふりかけ」て「これは…契約の血である」と宣言します。「その血は誓約が確認されるためのものであった。」(カルヴァン) 民の長老たちは「ラピスラズリ(口語訳「サファイア」)の敷石」のような澄み渡った空におられる主の前で「会食のいけにえ」を食べて祝います(→ルカ22章「新しい契約」)。
主は「土の祭壇」のような簡素なものでも、私たちが近づいて祈る者となることを喜ばれます。「「静けき祈りの時はいと楽し(スイート)」(讃310番)と歌いつつ、天に帰る日まで主に近づいて祈る者は幸いです。
「石の板をあなたに授ける…」
出エジプト24:12-31:17
シナイ山の麓で契約が結ばれた後、主はモーセを山の上に招き、十戒を書いた石の板を授けられます。それを入れる「契約の箱」が幕屋の中心に置かれ、主はイスラエルの民と共に歩まれます(→映画『失われたアーク』)
主はモーセに「石の板をあなたに授ける」と言われ、モーセは山に登ります。「神は…すでに語られた律法を、記念品として与えられる。」(カルヴァン) そして、「彼らが私のために聖所を造るなら、私は彼らの中に住む」と約束し、「アカシヤ材で箱を造り…私が与える証の箱を納めなさい」と命じられます。その箱には棒が通してあって移動可能です(神輿!)。
「幕屋」(英語「タバナクル」→「天幕」)が造られ、その中に契約の箱やその他の備品が置かれます。①「贖いの座」(25:17-22)は契約の箱の蓋ですが、裏には二体のケルビム(天使)の像が取り付けられて、主の臨在を表します。②「燭台」(25:31-40)は幕屋の内部を照らします(七枝!)。③「垂れ幕」(26:31-37)は至聖所への入り口です(→マルコ15章「垂れ幕が裂けた」)。教会の建物も備品も心を込めて造り、用いるべきです。
幕屋に奉仕する者として、主はアロンと息子たちを召し、「祭司として私に仕えさせなさい」と命じ、その服装も定められます。①「エフォド」(28:6-14)は羽織のようです。②「裁きの胸当て」(28:15-30)は、十二部族を象徴する宝石で飾られた箱で、ウリムとトンミムが裁きを告げます。③「エフォド用の長衣」(28:31-35)は、裾に鈴がついていて、大祭司の行動を知らせます。牧師の服装はシンプルで良いのです(→ガウン)。
最後に「主は…神の指で書かれた石の板を授けられた」とあります。主の真心がこもった十戒が授けられ、これからイスラエルの民と共に歩みます。「神は…近き助け」(讃286番)と歌いつつ、主と共に歩む者は幸いです。
「子牛の鋳造を造った…」
出エジプト32:1-14
シナイ山に登ったあと「モーセは四十日四十夜山にいた」(24章)ので、イスラエルの民は不安になります(偉大な指導者の不在!)。彼らは子牛の鋳造を造りますが、モーセは彼らのために主に執り成します。
不安になった民はアロンの所に来て(→24章「訴えのある者」)、「私たちに先立って進む神々を…造ってください」と訴えます。アロンは「金の耳輪を…持って来なさい」と言って、「のみで型を造り、子牛の鋳造を造った」のです(→「エジプトの若い雄牛の像」)。彼は「明日は主の祭りである」と言い、「民は…食べて…立っては戯れた」と、エジプトの宗教と同じような大騒ぎをします(→使徒7章「エジプトを懐かしく思い」)。
それを知って主は激しく怒り、モーセに「あなたがエジプトの地から導き上った(口語訳『あなたの』)民は堕落してしまった」と嘆かれます。民が「早くも私の命じた道からそれて…像を造り…いけにえを献げ」ているのを見て、「私の怒りは彼らに対して燃え…滅ぼし尽くす」と怒り、悲しまれます(→20章「彫像の禁止」→神とは似ても似つかない姿!)。
モーセは勇気を奮って、「なぜあなたの怒りがご自分の民に燃えるのですか」と主に嘆願します。「神は『あなたの民の所へ下って行け』と言われるが、モーセの答えは『いいえ、彼らはあなたの民です』であった。」(カルヴァン) モーセは、①「神の民であること」、②「エジプト人のあざけり、③「イスラエルの先祖への約束」、を取りあげて知恵を尽くして説得し、「主は…思い直された」のです(→詩106篇「破れ目に立つモーセ」)。
宗教改革記念礼拝の時、モーセが神の民を守ろうとする勇気を見て、カルヴァンがジュネーヴ教会を改革するために、ストラスブールでの平和な生活を捨てて帰って行った姿を思い出します(→讃285番「主よ、御手もて」)。
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